はちみつ料理:はちみつ、栄養成分と効能

料理への活用

はちみつは、朝食のパンに塗って食べたり、100パーセント果汁に加えて栄養満天のジュースにしたり・・・と、そのまま食べてももちろんおいしいのですが、調味料として、ちょっとした隠し味として、利用すると、お料理の腕がぐんとあがります。

はちみつは、甘みだけでなく、酸味や香りなど、複雑な味わいがあります。ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素といったさまざまな栄養成分も含まれています。これを料理に加えれば、コクと深い味わいが出るのです。また、はちみつは、花の種類によってその風味が変わりますから、それが料理にも生きて、さまざまな風味を楽しめるのです。

はちみつは、ミツバチの保存食ですから、とても保存性の高い食品です。殺菌性に優れていることから、はちみつをお料理に使うことで傷みににくくなります。夏場や、お弁当のおかずには、はちみつを使うと安心ですよね。

たとえば、こんな使い方はいかがでしょう?

ご飯にプラス!
ご飯を炊くときに、少量のはちみつを加えます。するとごはんがふっくらとおいしく炊き上がります。ふっくらとするのは、はちみつに含まれるブドウ糖と果糖が、お米に浸透して保水性を高めるからです。また、デンプンの一部が分解され、麦芽糖に変わることから、うまみが出るのです。ふっくら炊き上がったご飯は、それだけでご馳走ですね。

ちなみに、お料理に使うときの目安は、砂糖大さじ2杯=はちみつ大さじ1杯にします。入れすぎると甘くなりすぎてしまいます!

肉料理とはちみつ

はちみつは、その成分の約80パーセントが糖分で、しかもそのほとんどがブドウ糖と果糖です。ブドウ糖と果糖は、高い浸透性が特長です。この浸透性という特長を料理に生かしたものが、はちみつを肉料理に使うという方法です。
肉料理の味付けにはちみつを用いると、お肉が柔らかく、ジューシーに仕上がるのは、はちみつが肉の組織内に浸透し、肉の収縮を抑える働きをするからです。また、はちみつの糖分がカラメル化し、肉の表面をすばやく焼き固める作用があります。そのために肉汁が逃げ出さずにジューシーに仕上がるのです。
たとえば、照り焼きチキンのあの甘辛いタレ! あの甘みを出すのに、砂糖の代わりにはちみつを使ってみてください。ぱさつきがちな鶏肉がジューシーでやわらかく仕上がります。
そのほか、酢豚にもはちみつはぴったりです。天然のはちみつの自然な甘さは、お料理にすっきりとした味わいとコクをプラスしてくれます。

はちみつは、どの花の花みつから集められたものかで独特の味わいと風味が変わってきます。たとえば、照り焼きチキンには、穏やかな味わいの「アカシアのはちみつ」はいかがでしょう? アカシアのはちみつは、クセが少ないのでさまざまな料理に安心して使うことができます。
また、酢豚には、コクのある「そばのはちみつ」を使ってみるのもいいですね。そばのはちみつは、特の風味があり、黒砂糖のような色をしているはちみつです。
さまざまにはちみつを変えるだけでも料理の幅がぐんと広がります。

魚料理とはちみつ

肉料理にはちみつを少しプラスすると、はちみつの主成分であるブドウ糖と果糖が肉の収縮を防ぎ、硬くなるのを防ぐことから、ジューシーでふっくらやわらかく仕上がることは、結構、知られていますよね。
酢豚や照り焼きチキンの甘辛いタレにはちみつは絶妙のコクとつや、そしていやみのない甘さを生むことができるのです。

では、魚料理はどうでしょう?
はちみつは、魚料理にも、もちろん、大活躍します。はちみつには、砂糖と異なり蟻酸(ぎさん)という酸が含まれています。蟻酸は、赤ありやはちの体内にある刺激性の酸です。はちみつの、砂糖とは異なる、独自の性質といえるでしょう。
このはちみつに含まれる酸が、魚のにおいの原因を抑える働きをします。またはちみつの糖質の大部分を占める、ブドウ糖と果糖は、魚のたんぱく質に含まれるアミノ酸と反応し、魚独特の臭みを抑制する働きもするのです。

健康のためにももっともっと食べていただきたい魚料理。はちみつを使うことで、魚嫌いのお子さんや、魚のにおいが苦手という方がもっと楽しく魚を食べられるようになれば、と思います。

たとえば、サーモンのマリネにはちみつを加えてみてはどうでしょう? はちみつにもいろいろありますが、マリネに使うのならば、みかんのはちみつなどがいいかもしれませんね。柑橘系のさわやかな香りと、少し甘酸っぱい風味が、マリネ液の酢のすっぱさに甘みとさわやかさをプラスして、おしゃれな料理にしてくれるのではないでしょうか?

リンク集